医療費控除、関係ないと思っていませんか?
花粉症薬が保険適用外になるとのニュースが話題です!
普段服用している薬が、保険が効かなくなると
家計に大打撃…!!!
ですがどうやら決定ではなく、提言の段階のようです。
様子を見るしかなさそうです(;'∀')
こんにちは、志香(ゆきか)です。
家計管理をするために、結婚後FP2級を取得。
日々節約に励んでいます!
さて、今回は「医療費控除」のお話です。
医療費控除は、診察にかかったお金だけではなく、
市販の薬代にも適用されます。
こういった制度は知らないと損してしまうので、
知識として持っておくのは凄く大切です。
(本当に、学校でやって欲しい…!)
「医療費が10万を超えるとお金が戻ってくる」
など聞いたことはないでしょうか?
これ、間違ってはいないのですが…
払った医療費が無かったことになるかのような、
誤解を招く表現ではないかと思います(;'∀')
よく聞く医療費控除はどんな制度なのか、簡単に説明していきます。
そもそも控除とは
ここを知っておかないと、税の制度は理解できません(;'∀')
ざっくり説明していきます。
税金は、稼いだ額に応じて支払います。
稼ぐ額が高ければ高いほど、税金も高くなります。
収入が500万円とすると、所得税の税率20%なので
500万×20%=100万
100万円も税金をもっていかれるの!?
……となる前に。
「必要な経費のぶん、収入を無かったことにしていいよ」
というのが控除です。
誰でも引ける基礎控除(38万)、
所得のない配偶者がいれば配偶者控除(38万)、
年金や健康保険を納めた分を引ける社会保険料控除、
給与所得者なら引ける給与所得控除などなど
条件はあるものの、たくさんあります。
これらの控除が、合計200万あったとします。
すると、
500万ー200万=300万
払う税金は 300万×20%=60万 となるわけです。
先程より40万円も安くなりました。
支払う税金が安くなったり、支払った税金を払い戻してもらえるので
「税金が戻ってくる」という言い方をします。
医療費控除とは
その名の通り、「医療費を支払った時に控除できる」制度です。
ただ、何でも引けるわけではありません。
医療費控除に限らず、基本的に控除にはそれぞれ条件があります。
その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額(下記3参照)の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
出典:国税庁
「生計を一にする家族」の医療費が該当します。
「一定の金額」とはいくらでしょう。
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額
- (1) 保険金などで補てんされる金額
(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
(注) 保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
- (2) 10万円
(注) その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額
出典:国税庁
まず、(1)年間の家族分の医療費から、保険や出産一時金などを引きます。
(1)の金額から、(2)10万円、もしくは所得が200万未満の人は、所得の5%
を引きます。
(2)を引いた残りの金額が、
「医療費控除」できる金額になります。
例)支払った医療費15万-(1)1万ー(2)10万=4万円
4万円「収入が無かったこと」になるということです。
(4万円が返ってくるわけではないですよ!)
「10万円を超えると」の根拠はここです。
ゼロ円以下では控除のしようがないからです。
ただしここでよく見落とされることがあります。
所得が200万未満の場合は所得の5%で良いのです。
所得が100万であれば、5万です。
以前我が家でもあったのですが、会社員の夫には適用されなくても
フリーランスの私の方で申請できたことがありました。
なので「10万」と覚えるのは間違いです。
いくら得するの?
「医療費控除」の金額に税率をかければ
戻ってくる金額が分かります。
上記の例で医療費控除4万円で、税率が20%の人なら、
4万×20%=8,000円
支払った税金が8,000円戻ってきます。
医療費が10万円(or所得の5%)を超えていても
ほんの少しであれば、それほど得はしません。
例)支払った医療費10万1千-(1)0 ー(2)10万=千円
医療費控除額が1,000円だったとします。
税率が20%でも、1,000×20%=200円
200円しか戻ってきません。
どうやって申告するの?
医療費控除は、会社で年末調整をしていても
自ら確定申告をする必要があります。
会社員の方はあまり縁がなく、抵抗を感じるかもしれませんが
今はネットで作成できますし、やってみれば難しくありません。
ただ、医療費の領収書やレシートの内容を
「医療費明細書」に入力していく必要があり、
上記の例のように「200円」のために
この手間をかけるかどうか…はそれぞれ考えた方が良さそうですね。
*控除を多くして所得を減らしておけば、
住民税も減らすことができるので、余裕のある方はやった方が良いと思います。
医療費控除の対象は?
「治療を目的とする」ことが基本になります。
診察代、薬代、入院費などはもちろん、
市販の薬でも対象になります。
ただし、予防や美容目的などであれば対象外です。
近視の治療に使うオルソケラトロジーや、噛み合わせを直すために必要な矯正などは
医療費控除の対象となります。
病院までの交通費も、公共交通機関なら対象、
車で行った場合のガソリン代は対象外など、細かく区分けされているので
気になったものは都度調べてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
そんなに医療費を使うことはない、と思っていても
薬代などを全て合わせると意外と大きな金額になっているかもしれません。
また、その年にどんな病気になるかなんて分からないのですから、
病院の領収書などは必ず取っておくようにしましょう。
特に出産をした年は、申請する人が多いようです。
制度は知っておいて損はありません!
少しでも参考になれば幸いです。
読んで頂き、ありがとうございました。